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夜中過ぎにイギリスBBCテレビでクリントン女史が民主党大統領候補撤退宣言スピーチをするかどうかというようなライブニュースを見ていたら携帯が鳴った。 息子がユトレヒトのホッケークラブに練習に行った帰り最終電車に乗ったのだが途中で催しトイレを探したのだが3両ほどの電車には生憎見当たらず停車5分ほどの田舎の駅に飛び降りて探しまくったものの夜中には駅舎はしまっておりまるで無人の駅舎から出て茂みの木に小用を足していると電車は出てしまったのだという。 雨も降らない初夏の夜、心配することもなく、まあ30分もあればその30kmほど離れた駅まで迎えにいけると返事し、車のキーを取りカーラジオのジャズFM局からながれるスタンダード曲を聴きながら高速に入った。 この時間、高速とは言うものの地方の都市を結ぶいわばバイパス道路だから車通りは殆どない。 あれば赤いテールランプを追えばいいのだから問題はないのだがこういう夜中に周りの牧場から急に霧が立ち込めて視界が極度に下がることがあり何か前に動く灯があればと願うのだがこの夜は星空でその心配はないけれど対向車も殆どないから進路は暗く140kmで走るのにヘッドライトを上に上げたままだ。 慣れた道だから20分弱でその小さな村に入ったのだが昼には1度か2度走ったことはあるものの夜中は初めてで小さい町だから簡単に駅が見つかると高をくくったのが間違いだった。 普通は高速から町の中心、Centrum に駅があると先ずセントラムの標識があり駅とその駐車場のサインが出るからセントラムの標識に沿って中に入っていった。 町の中心には教会がありマーケットのちょっとした広場があり多分それに続くショッピングセンターの通りがあるだろうし、徐々に住宅から店舗があるところを走る。 その通りの展開となり人っ子一人見えない、通行の車も皆無のところである。 ホラー映画を撮るのには最適だ。 人が住み、日中は賑わうところがこれだ。 これからの時期まだ11時でも外で新聞が読めるような明るさの宵でもここでは人は眠りに入るのだろうから一層ホラー映画の雰囲気が出る。 そうこうしているうちにセントラムを通り越したような気配なのだがまだ駅のサインが出てこない。 すると向こうに牧場が見えて町の境界のサインが出た。 水路に落ちないように方向を換えて戻り大きそうな道に入って暫くいくと高速から降りてセントラムのサインのあるところに舞い戻った。 来るときには高をくくっていてそのボードの近くにある地図を見なかったから迷ったので、けれど標識のシステムがおかしいともおもいながら、そこに車を停めて自分のいる場所と目的地を見てその間にどの通りを辿るか覚えていかなければならないからデジカメに撮って途中でも確かめながら進んだ。 しかし地図には一方通行の印がついていないから最短コースがその通りにいけるかどうかの確信はない。 しばしば今回の場合のようにセントラムを通過して反対側の目的地にいく場合、中以上の都市では通り抜けられないようにしてある。 周りを迂回して抜ける、というぐあいで中心の広場などは車は入れないようにしてあるところが多い。 その中心からは一方通行で向こうにいけないようにしてあるのだ。 リスクだがこんなゴーストタウンのような夜中には一方通行を無視しても向こう側へ行こうと思った。 逆にジグザグに迷路のような順路に従えばそのうち訳が分らなくなる、特に今回のように駅へのサインが何処にもない場合には。 2度目に町の中心に来たときにラッキーなことにピザ配達の若い男の子が道端にバイクを停めていたので車の窓から駅への順路を尋ねたらその場所から左折して暫く行き橋を渡り次の信号を右折だという。 その通り走らせるのだが相変わらず標識はない。 人っ子一人いない駅に来ると息子がボサーっと立っていた。 20分無駄にした。 夜中に迷ったことは何回かあるが急がなければどうっと云う事もない。 息子を乗せて自宅に向かうのにも駅からの順路というものもなくまた少し迷い2,3回方向転換をして感をたよりにやっと高速に入った。 どこでもそうだが都市間のドライブは出てくる道路標識を見ていればヨーロッパ中どこでも長距離運転できるが一旦何処かの街に入り目的地に向かうとなると時間がかかる。 今回でも25km走る時間と3,4km走る時間がほぼ同じだったのだ。 高速の帰り道、夏休みのプランを息子と話をしていると、高校時代の男友達6人と2台の車に分散して2日でスペインのバルセロナにいくのだという。 そこで2週間ほどいてまた戻ってくるというのがプランらしい。 一人だけが免許を持っていないからそれぞれの車に3人が交代で運転するのだったら楽なものだ。 この20年ほどチェコやドイツ、オーストリア、ノルウエー、南仏へと家族4人が車で向かうのには道路が静まった夜の10時ごろから走るのを習慣にしていた。 家人がナビゲーターで私が全工程運転手、子供達は後ろの席で寝たり遊ばせたりする。 そんな夜間空いた道路を130kmほどで走るとストレスも溜まらず5,6時間は休憩がなくとも走れるようだ。 3人運転手がいれば順次交代でやればいいのだから愉しいものとなるのだろう。 私のパターンは一晩運転して朝7時ごろパーキングエリアのレストランでしっかりした英国式の朝食をビールで採り車に戻り2時間ほど仮眠を取り頭をすっきりさせて次の1000kmほど離れた、4,5ヶ月前に予約を入れておいたバカンスハウスに向かう、といったものが普通だった。 けれど家族全員でこのような移動方式のバカンスはもうないだろう。 子供達がそれぞれ親とは別々に友達同士であちこちに出かけ、その時期が済むと恋人とバカンスにというようなことが普通であり、週末の家族そろって小旅行というものはあるのだろうけれど長期のものはもうないだろう。 もうそろそろ2時にもなる人気のない高速を走る夜中のタクシーはそういうことを思わせるものだった。 |
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